息をするように本を読む

文字でしか伝わらないものがあるし文字だけじゃ伝わらないものもあるけど私はとにかく読みたいの

ステレオタイプ

昨夏からこの3月まで未曾有の忙しさというか、背伸びしたキャパオーバー気味の仕事に埋もれて本当に余裕がなく、それこそせいぜい無料電子マンガや細切れkindleで一瞬息継ぎするぐらいで落ち着いて紙の本を手に取れず

4月に入って、まだまだ全く落ち着かないものの、未曾有の押しつぶされ感からは一歩抜けた感じがして、

というより、あー紙の本読みたいなーどれにしようかなー人はどこから来てどこへ行くのかオリジンでも読むかーと久々に書棚に向かって文庫本を選んで手に取ってひとしきり読んでから、あ、なるほど気持ち的に一歩抜けたんだな、と自覚したという方が正しいですね。自分の状況ってあとからフィードバックでわかることが多い。

で、数日かけて『オリジン』を読み(数年ぶりたぶん3回目)、ダンブラウン何か読むと必ず他のも読みたくなるので、『天使と悪魔』(数年ぶりたぶん4~5回目)、『ダ・ヴィンチ・コード』(数年ぶりたぶん5~6回目)、『インフェルノ』(数年ぶりたぶん3~4回目)、と進んできていま『ロストシンボル』(数年ぶりたぶん3回目)のラストまできたとこです。どれか読むと必ず他も読みたいので、入手順に回数が比例してると思う。それでも肝心なところはしっかり忘れてから読むので実に楽しい。土曜の寝る前のひととき、寝っ転がって文庫本をラストまで読むという幸せ。

ラングドン教授シリーズ、読みながら、建物や絵画やそのほか実在のいろいろをすごく調べたり画像さがしてみたりしたくなるんだけど、物語自体が面白いから止めたくなくて、検証しながら読むことができていない。いつか1つ1つ確認したいんだけど、どうしてもぐいーんと読み続けたいんですよね。で、連休中に思いついたんですよね、映画みればいいんじゃないか?って。たぶん原作よりもテンポよくノンストップサスペンスな感じでなおかつ建物や街並みや芸術作品を観られるんだよね?天才では?と思い、配信もあるのを確認したけども、結局まだ観てない。観ないで読んじゃった。なんか映像を2時間みると思うと面倒で…本読むなら10時間でも20時間でもかまわない、かまわないどころかそんだけ読んでていいって言われたらわっくわくで鼻血が出そうなほど興奮するのですが。でもこれは映像観たいんですよ。そのうち観よう。

ところでシリーズどれが一番好き?(急)しばらくはやっぱりダ・ヴィンチ・コードがわかりやすいし英国好きとしはかなりテンションあがるしいちばん好きかなと思ってて、でも何度か読んでるうちに、ヴァチカンの天使と悪魔がかなり世界史ゴコロにダイレクトアタックしてくるのでやばいぐらい好きだなと思い、近年はダンテの話を他でも聞くにつけインフェルノの面白さがあらためて感じられてきた気がしてて、そのなかでロストシンボルはまだ自分がわかり足りないというか面白がり足りないなという気がしててですね、特に最後の方、ラングドン教授もわかんないわかんないってなってるけど笑、もっとわかりたいんですよねー。むしろそのあとのオリジンの方が再び直球な感じある。なのでヒントも欲しいし映像みるとしたらまずロストシンボルかなーと思ったらこれだけ映画じゃなくなんとドラマ、しかも俳優さんがあの人じゃない。

でもまあ、サトウをどうしてるか気になるし、こんど(いつ?)観てみようかなと思います…って、サトウね、仕方ないのは本当にわかってる。こちらもダンブラウン氏の提示する各国のステレオタイプに100%乗っかって読んでるし、むしろ他の国の様子についてはそれも期待してるし、なんならそういう観光ガイドレベルの共通認識部分があるからこそ、気持ち良いスピード感、くすぐり台詞のニヤリ感、通りすがりの人物さえ一瞬で活きるキャラ立ち感、を十二分に楽しんで読んでるわけですよ。ダンブラウン氏だって魚の時代が終わって人類が叡智に目覚めるいま(影響されすぎ)、他の文化圏の人をステレオタイプで決めつけちゃいけないとか個の尊重とか、知識人として当然認識されたうえで敢えてエンタメとして描いてらっしゃるんだろうし、クレームを言うつもりは全くありません。が、最初から最後まで出てくるたびに引っかかりますね、サトウのキャラ造形。もうちょっとなんとかならなかったんだろうか。優秀で地味で嫌味なのはぜんぜんいいんだけど…なんだろう、嫌味の出し方とか声や見た目の外し方のポイントが違うんじゃないかと思うんだよね…また次回よみなおした時に考えてみます!